私がコンペ案件を断る理由
正直な不器用さんが報われる世の中を実現する!
INDYELL代表の小池です。
先日、こんなセミナーを開催しました。
私自身、
独立した年は全然売れなくて
でも1年間の試行錯誤の結果
翌年から売上を3倍にすることができました。
また、
INDYELLの活動を通じて
かなりの数の個人事業主の方とお話しています。
その2つの経験に基づいて
個人事業主が長く続けていくために
最初に知っておくべきルールがあるということに気付きました。
それについてお話しました。
ご興味のある方は、
近日中にビジネスいろは塾で録画が発売されます。
チェックしてみてください。
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質の良い売上と質の悪い売上
さて、その中で
「売上の質」というお話をしました。
同じ金額でも、質の良い売上と質の悪い売上が存在します。
お客様からお金をいただくのに
質が良いだの悪いだの、
何を傲慢なことを言っているのだ!!!
何様だお前は!!!
・・・って、怒られるのを覚悟の上で発言しています。笑
質の良い売上は、
お客様が満足してくれるだけではなく、
売り手の価値を高めます。
質の悪い売上は、
お客様が不満を抱えるだけでなく
売り手の価値を貶めます。
質の悪い売上の代表例として
コンペ案件の話をさせてください。
「お試しでやってくれない?」
「プロならちゃちゃっとやっちゃってよ」
私の本業はデザイナーです。
クリエイターなら恐らく100%、
物販ではなくサービスを売られている方の多くが
このセリフ、
言われたことがあるのではないでしょうか?
これを言うお客様には、
なんと恐ろしいことに
悪気がありません。
「仕入れがないなら大してお金もかからないだろう」
「大した手間でもないだろう」
本気でこんな風に考えています。
そして、この考え方の延長線上に発生するのが
「とりあえず作ってみてよ、その中から選ぶから」
というコンペ案件なのです。
コンペ案件の弊害
他の業種に置き換えてみましょう。
レストランで、
「とりあえず全部のメニュー作ってよ。その中から選ぶから」
大工さんに、
「とりあえずお任せで家建ててよ。気に入ったら買うから」
って、言いませんよね?
言ったらヤバイ人ですよね?
もはや狂気の沙汰ですよね?
じゃあ、どうして普通言わないようなこのセリフを
サービス業には言ってしまうのか?
それは、仕入れがないからです。
私たちサービス業が売っているのはスキルと労力。
目に見えないものです。
唯一見えるのが「それにかかる時間」なので、
「短時間でできるんだから簡単なんだろう!」
↓
「それならお試しでやってくれても良いじゃないか!」
という理屈で、
お客様はコンペを提案されるわけです。
ええ、悪気なく。
(悪気のあるヤツもいるけどそんなのはお客様とは呼ばない)
私たちがプロとしてお客様へ提供しているものは、
目には見えないスキルと労力から生まれる価値です。
かかる時間が多い少ないは個人差ですので
はっきり言って関係ありません。
お客様がそのことを知らないのならば、
私たちはお互いの幸せのために
しっかりと教えてあげないといけないのです。
コンペやお試しを経て、
実際に案件につながったとしましょう。
私たちの本当の価値が、目に見えない部分から生まれることを
お客様が知らないままでいたとしたら、
この関係はどうなっていくでしょう?
「いつも安くやってくれてありがとうね!」
「適当にちゃちゃっと頼むよ!」
せっかくリピーターになっていただいても
こんな仕事ばかりが続いて、
やりがいも単価も上がらない・・・
そんな未来が見えるのではないでしょうか。
その仕事は、お客様を本当に満足させていますか?
そして、あなたの価値を高めてくれるものですか?
そうではないと思います。
つまり、コンペやお試し案件から始まった仕事は、
質の悪い売上を生み続ける可能性が高いのです。
こんなことを言っていると
「選ばれる自信がないの???」
とか言ってくる輩もいます。
本当にいます。
売上に限らず、
質の悪いものと関わっていると
自分自身の価値が下がります。
距離を取ることをお勧めします。
蛇足ですが、この場合
自信がないのはこちらではなく選考者の方だと思います。
最後に補足です。
散々書いてきましたが、コンペにも良いものはあります。
・業界関係者の目に留まるチャンスがある
・出品したことを自分の経歴に書ける
・報酬が大きい
これらがメリットです。
つまり、
規模か金額が大きい
選考がしっかりしている
など、
募集する側が覚悟をもって開催するコンペなら
挑戦する価値は大いにあります。
そんな覚悟も体制もないのに
リスクを出品者に丸投げして
札束で頬を叩くようなものを
コンペと呼びたくもないなぁと
私は思います。